病害虫や雑草の防除のために、自然界に存在する微生物や天敵昆虫を利用するものが「生物農薬」で、登場した背景には、化学合成農薬に偏った防除手段に対する反省があります。
国内での登録数は年々増加しており、現在、農薬取締法によって20種類以上が生物農薬として登録されています。
害虫防除に利用されているバチルス・チューリンゲンシス(BT)という細菌が生物農薬の代表例で、産生される結晶性たんぱく質は殺虫効果があるため、野菜の害虫コナガなどの防除に利用されています。また、天敵昆虫には、チリカブリダニなどがあります。
化学合成農薬は何種類かの害虫を一度に殺してしまうこともありますが、生物農薬は防除対象に対する選択性が高く、目的とする害虫や病気以外に作用しません。これは環境にやさしい農薬として望ましい性質です。また、開発コストが比較的安いというメリットもあります。
一方、効果がマイルドで、即効的でない点や安定した品質のものを大量生産することが難しい、などのデメリットもあります。