農薬とは、「農作物を害する虫、雑草、その他を防除あるいは制御して作物を保護し、農業の生産性を高めるために使用する薬剤」と定義され、いろいろな種類があり、用途、製剤および組成によって分類されています。
私たちにもっとも馴染みがあるのは、殺虫剤や除草剤ですが、これらは読んで字のごとく虫や病気、雑草を防除するために使われます。種無しぶどうをつくる植物ホルモンなども農薬の一種で、植物成長調整剤といわれるものです。昆虫などを寄せつける「誘引剤」も農薬とされています。
水田地帯や野菜畑に面した沿道を通ったときに、農家の人が袋を持って農薬を散布していたり、管の先から霧が勢いよく出ているような光景をみたことがあると思います。同じ種類でももっとも効率的に使うためにいろいろな製剤になっているのです。
有効成分をあらかじめ希釈し、そのまま散布できる製剤としては「粉剤」や「粒剤」があります。水で適当な濃度に希釈して使う形として「水和剤」や「乳剤」があります。
農薬は有効成分の種類によっても分類されます。まず「化学農薬」と「生物農薬」に大きく分けることができます。大部分の農薬は化学農薬で、除虫菊の有効成分ピレトリンの関連化合物や有機リン系の化合物などが知られています。さらに化学の発展とともに多くの種類の化合物が開発され、農薬として使用されています。
生物農薬とは、ある害虫の天敵や微生物を大量に生産したもので、化学農薬に比べて安全性が高く、残留もないので、注目を浴びています。化学農薬に比べて種類は少なく、防除効果や使用技術の今後の研究が必要です。